エリザベスお姉さん、この間頼まれた件についてレポートがまとまったので送ります。
お姉さんは既に私の事を良くご存知ですが、日本の読者のみなさんには私は面識がないので、まず自己紹介から始めさせていただきますね。
私は、アメリカのLAに住んでいる今年で1歳になるシェパードMIXの女の子です。
今のパパとママとはシェルターで出会いました。
“シェルター”っていうのは・・・日本にはあるのかしら? つまり、新しい飼い主さんを待ってる施設のことです(正確に言えば、私がいたところはLA市がやっている保健所です)。
みんなが、「私をもらって!」とワンワン吠える中で、ひとり吠えずにポツンとしていた『2歳・メス・しつけ・避妊手術済み』っていうタグを付けた私にママは一目ぼれしちゃったの!
ママはエリザベスお姉さんのところのブーボ君みたいな大型犬マニアだけど、アパートではあんまり大きなワンコは飼えないから「2歳でコノ大きさなら」とも思ったみたい。
でもね・・・私、その時実は2歳なんて大人のワンコじゃなかったんです。まだ、産まれて4ヶ月くらいのパピーだったの!!
ママ達がそれに気がついたのは、登録料$10を払って私をお家に連れて帰り、翌日にシェルターからもらった「無料健康診断」の紙を持って獣医さんに行ったとき・・・・。
そこで「この子、成犬じゃないよ。せいぜい4ヶ月くらいかな?」って獣医さんに言われて!!
実はね・・ココだけの話しなんですけど・・・ママは日本に居たとき、ワンコの雑誌関係のお仕事をしてたの・・・それなのにパピーと大人の見分けもつかなくてその晩は少しへこんでいたみたい(笑)まぁ、それだけ私がキュートだったから?!って事かな?なんて思っています。
ちなみに私のQって言う名前はママのお友達が「かわいいね!こっちにおいでキューティー」って言ったところからきています。
日本だと、結構変った名前のワンコっていますよね?
確か、お姉さんのところのリポーターの子も時代劇に出てくるみたいで珍しいけど、でもアメリカではほとんどのワンコが人間と同じ名前なの。だから私のQっていう名前も、珍しがられるんです。
さて、自己紹介はこの辺にしておいて、本題に入りますね。
まずはノーリードの件についてお話しします。
結論から先に言えば『アメリカはノーリードに対して厳しい』ということです。ママもアメリカに来るまでは「アメリカ=犬に優しい国=自由」っていう考えを持っていたそうです。日本では大抵の方がそういった認識を持っているんだと思います。だからこの間お姉さんが言っていたような事が起きるのでしょうね。
でも、ママはアメリカに来て、そして私を飼い初めて「犬に優しい環境=人間の責任感」だということを痛感しました。
本当に、ノーリードなんてこちらではとんでもない話しなんですよ!
アニマル・コントロール(保健所)だけでなく、警察やパーク・レーンジャーからまで罰金のチケットをもらうんです。
それに、お姉さんもご存知の通り、アメリカって“訴訟社会”でしょう・・・ 最近は日本もそうらしいけど・・・ノーリードにしてて万が一の事があれば即!訴訟!!という事にもなりますし・・・。
私が普段行っているドック・パーク〈こういうモノがある事と、その中ではノーリードで遊ばせていい!(本当はそれも限られたスペースでの話しなんですが)その部分だけが大きく取り上げられて、誤解を招いてるのかもしれませんね。〉はフェンスも何もないただの公園です。
もちろん本当はオン・リーシュ(リードを着けてる事をこういいます。反対に着けてないことはオフ・リーシュといいます)じゃないといけないのですが、ここはちょっとアメリカでも特殊でして・・・この公園、以前はかなり素性のよろしくない、犯罪の匂いがする人々が夕方になるとウロウロしていたのが、私達がたくさん(毎日30匹くらい)来るようになってからその人が姿を見せなくなったこともあり、地元の人達や警察はオフ・リーシュにしていても何も言いません!?
時々、アニマル・コントロールが見回りに来ますけど、警告だけしてチケットは切らずに帰ってしまいます。
オフ・リーシュのチケットは$75です! 日本円だとだいたい¥9,000位かしら?結構な額ですよね。
そうは言っても“オフ・リーシュ禁止”にはかわりませんから、朝のすいてる時間にはチケットを切られた人は多いようです。
ただ、みんなその公園に犬を連れて来れなくなるのがイヤだから、自主的にルールは守ってるんですよ。 例えば、攻撃的なワンコは必ずオン・リーシュ、「他の犬がダメ」な犬に近寄ろうよしたら必ず呼び戻し、迷惑をかけない。
「来ないで!」と言われて呼び戻しができない場合はすぐリードをつける。嫌がる犬にハラッシングを続ける犬には即リードをつける。
要するに他の人や犬に迷惑をかけないお約束のもとにオフ・リーシュで遊ぶんです。
ウ○コを見つけたら自分のワンコのじゃなくても拾うし、他人のワンコがウ○コをしてたら飼い主に大声でしらせる、他人のワンコでも悪いことをしたらしかる! サッカーやフットボールをしている人達がいる時は、ワンコがその人達の邪魔にならないように、みんなで見張る等々・・・。
アメリカの人達は「犬=家族」という意識が強いので、他人に迷惑をかけることさえ避ければ、多少のルール違反(普通の公園でノーリードで遊ばせる事)は大目に見てくれます。
ここの公園の場合は飼い主さん達が一生懸命努力をしているのを地元の方々が評価してくれているんです。
だから、その公園には犬を飼ってないのに他人の犬と遊ぶ目的で来る人がいっぱいいるんです。 そう、これはウチのママがこちらに来て感心したことの一つなんですけど、例えばお散歩中によそのワンコに会うとしますね。そうすると必ず相手から「ウチの子はフレンドリーだから大丈夫よ!」とか「ガルガル犬だから気をつけてね!」とか相手に気をつかってくれるんです。
さっきも書いた「他人のワンコでも悪いことをしたらしかる」っていうのも、それが当たり前だと飼い主さん達が思ってるからそれに対して怒ったりなんていうことはありません。
日本じゃ考えられないことでしょうか?
ウ○コで、思い出した事があります! 当然・・というかこちらにもそのままにしておく飼い主さんがいるんですよ。困ったことに。
ドック・パークの常連さんに聞いた話しなんですけど、この方がサンタモニカの海岸にお散歩に行った時の事。ワンコ3匹をオフ・リーシュで歩いていたらチケットを切られたらしいんですけど(基本的に人の多い砂浜はワンコ立ち入り禁止です)その他に「ウ○コ袋の不携帯」のチケットも切られたそうなんです!
彼女が言うにはポリスに遭遇する5分前に、3匹ともウ○コを済ませたそうで、もちろんちゃんと袋も持っていて始末をしたんだそうです。
しかし!ポリスは「ちゃんと予備も用意してなきゃダメだ!もしまたウ○コしたらどうやって取るんだ!」と言ってチケットを切ったとか・・・。 その総額、な、なんと$380!
日本円にして約¥45,000!!
飼い主に1枚ではなくて、ワンコ1匹についてチケット1枚ということらしいんです。ちなみに「ウ○コ袋携帯の義務」はサンタモニカ市だけのものです。