蚊取り線香のペットへの影響
◇ 蚊取り線香はペットに悪い?
蚊取り線香や液体の蚊取り製品、 防虫スプレーなどに含まれる成分には、多く摂取するとペットや私たち人間に悪影響を及ぼすものがあります。
蚊取り線香に含まれるピレストロイドと呼ばれる合成化合物には蚊などを殺す殺虫成分が含まれます。
一般的に使用される蚊取り線香には、家庭用殺虫剤などの化学合成殺虫成分である総称ピレスロイド(アレスリン、フタルスリン、レスメトリン、フェノリン、プラレトリンなど)が使用されています。
これらの化学合成物質には神経毒性があり発ガン性も確認されています。
頭痛やめまい、吐き気の原因になっているといわれています。
このピレストロイドにより、蚊取り線香の煙を吸うだけでアレルギー反応を起こす人もいます。
このような成分を含む蚊取り線香が、ペットに安全な商品と言えるでしょうか?
◇ 天然のピレトリンは人体や動物には無害
天然のピレトリンとは、 植物の除虫菊に含まれる成分で、植物で唯一の殺虫成分を持っています。
その効能は、蚊や昆虫、爬虫類には影響を与えますが、 哺乳類や鳥類などの温血動物には無害であることが証明されています。
(※昆虫には天然成分の蚊取り線香でも影響はあると思われますので、ご注意ください。)
(※魚類への危険性は、現在のところ確認されておりません。)
◇ 無添加への理解
これまで蚊取り線香が農薬を使用していることも あまり知られていませんでした。
また、お客様から 「なぜわざわざ茶色に着色するのか?」 などの問い合わせも多く寄せられました。
蚊取り線香はマラカイトグリーンという緑色の着色料で色付けされています。
本来、天然の色は茶色です。
完全無添加で、しかも「蚊を殺さない」ことへの理解はなかなか得られず苦労しました。
しかし、使用後に感じる体への負担の少なさが徐々に認められるようになりました。
◇自然原料のみ使用の難しさ
自然原料である除虫菊は毎年変化します。
そのために、除虫菊の有効成分含有量に合わせてその都度配合を調整する必要があります。
また、煙のにおいなども、ほかの原料との配合率で少しでも良くするために様々な配合を試みています。
常に均一でないところに自然素材の良さがありますが、時に不良品と映ることがあります。
技術の復活
一般的な合成殺虫剤を使用した蚊取り線香が市場を占める中、 日本古来の伝統的な技術は絶滅寸前でした。
特に、除虫菊を使用する場合、 原料は粉末ですので(合成の場合液体なのですぐに混ざります)製造工程から創り上げることが必要でした。
そのために試作を繰り返し、 伝統的な技法と新しい製造技術を磨く必要がありました。
材料の復活
1970年代に 日本の三大輸出原料作物であった除虫菊も合成農薬に駆逐され、 日本の農村から姿を消していました。
りんねしゃは現在は北海道紋別で除虫菊の自家栽培を始めています。
この活動は原料を確保するという事だけでなく、日本農業の復活という想いが込められています。
除虫菊栽培
◇除虫菊栽培への取り組み
除虫菊を初めて知ったのは、意外にも日本ではなく、オーストラリア・オーガニック認証団体を訪問した時でした。
農産物栽培時に、 場合によっては使用するというpyrethrum(除虫菊)の名前でした。
さらに、中国東北部で、当時日本人篤農家と親交があった 中国人の老人から農産物栽培に安全な忌避剤として 除虫菊栽培と使用方法を日本人から教えられたと聞くことができました。
そして、1997年中国での除虫菊栽培を、その老人の子供たちと協力しながら踏み出すことにし、 山東省青島市内にある図書館と古本屋で関連書籍を確認して栽培を決意するに至りました。
◇国産除虫菊栽培への挑戦
一方で、りんねしゃ北海道農産物契約栽培農家に、 新たに除虫菊栽培を相談したところ、 北海道内の除虫菊栽培関係者として農業試験場や農業改良普及センターなどを退職した技術者と所長に会う機会を持つことができました。
除虫菊栽培歴史資料などと一緒に、 手持ちの除虫菊の苗を譲り受けたことで道北の滝上町での試験栽培が始まりました。
◇りんねしゃ除虫菊栽培圃場 : 北海道紋別郡滝上町2区7線 では・・
愛知県のりんねしゃ施設ハウス内で発芽して育苗が完了して成長したポット苗を輸送し、4月中下旬に定植します。
また、滝上町の畑では前年5月下旬に播種し発芽後移植して、 そのまま越冬したものと合わせて定植します。
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