子犬や小型犬はそれより高め、成犬や大型犬、そして老犬は低めです。
健康な猫の平熱は、約37.5℃〜38.5℃くらい。
子猫はそれより高め、成猫や老猫は低めです。
体温の上昇が必ず病気をともなうとはいえませんが、一般に病気の場合は、体温が上昇します。
それは病気と闘うために、体温が高くなるからです。
反対に病気に負けてくると、体温は低くなります。 とくに急激に体温が下がった時は、命に関わる危険性があります。
体温が40.5℃を超える、あるいは36.6℃より低い時は、緊急を要します。
一刻も早く、動物病院を受診し治療を受けましょう。
一日の中で高低の変動(犬の場合、±1℃)があり、一般に起床時に一番低く、夕方(4〜6時)に最も高くなります。
40℃近く体温が上がることもありますが、興奮がさめれば平熱に戻ります。
ペットを30〜60分休ませ、安静状態になってから体温を測ってください。
平熱は、ワンちゃんも人間同様、個体差があります。 何度か同じ条件で測り、ワンちゃんの平熱を把握することが大切です。
当たり前のことですが、私たちもペット(哺乳類)も定温動物です。
定温動物は、気温に関わらず、いつも体温を一定に保つことが出来ます。
どうやって体温を一定に保てるのでしょう?
それは、 体の中で作られる熱(産熱)と体の表面から出ていく熱(放熱)のバランスを、脳の視床下部にある体温調節中枢がコントロールしているからです。
例えば、外気温の高い夏は、温熱中枢を刺激して、体温調節中枢の設定温度を低くすることで体熱の放散を図ります。
人が汗をかいたり、犬がハアハアと息を吐くのはそのためです。
反対に外気温が低い時は、寒冷中枢を刺激して、熱の放散を抑制します。
寒いと、毛穴が収縮したり体が震えるのは、熱をおこして体温が下がらないようにしているのです。
体温調節中枢はつねに体温をコントロールして、酵素活動など、体内の化学反応に最適な温度を保っています。
体温調節の目標となる設定温度がふだんより高温になるのが、発熱。
発熱は、全身的な感染や炎症があれば、必ず見られる症状です。 そ
の原因は3つあるといわれています。
発熱は、異常を知らせるサイン。
でも、病気そのものではありません。
異常のサインを早くキャッチし、 その原因を突き止めて、治療してやることが大切です。
体温は、体表面と内部で、また部位によっても違います。
本来、体温は、脳や内臓、血液など、体深部の温度<中核温>のことをいいます。
人の場合、測定しやすい腋の下や口の中、耳などが検温部位に用いられています。
例えば、腋下の温度はぴったりと腋を閉じて、体内部の温度が皮膚に伝わるのを待ち、完全に温まった時の温度を測ろうとすると30分以上かかります。
また、同じ部位でも図る場所によって微妙に温度差がありますし、性差、年齢差、個人差によっても、体温の高い低いがあります。
一般に、腋下温より、舌下温が約0.5℃高く、舌下温より直腸温が約0.3℃高いといわれます。
ですから、直腸温が本来の体温に一番近いのです。 でも、ペットの体温を測ろうとすれば・・・。
それは今まで、大きな困難を伴うものでした。
体温測定は、体深部の温度を知ることが大切です。
耳は直腸同様、体の内部に近い場所にあります。
しかも、鼓膜は体温調節中枢のある視床下部に隣接していて、脳の血管を共有しています。
ですから、中核温の指標にとして最もふさわしいのです。
耳式体温計は、鼓膜から出る赤外線をセンサーで感知して測るので、瞬時に体温測定できます。
また、視床下部に隣接してるので、中核温の変動が即座に反映されます。
直腸の場合は、その変動が伝わるのは30〜40分といわれています。
中核温が安定している時、耳体温と直腸温の差は±0.6℃程度といわれます。